現在のコールセンターでは電話やメール以外のチャネル数が増えています。結果、「各チャネルの連携がうまく取れない」という課題が出てきています。
有人チャット、チャットボット、LINEといったチャネルに加え、FAQなどの自己解決チャネルを連携しながら運用していくことが難しくなってきているのです。
さらに、AIツールを導入はしたものの、各チャネルで異なったAIツールが使われているため、運用が複雑化しているといった課題もあります。
たとえば、FAQの自動生成、VOCの要約、チャットボットにそれぞれ違ったAIツールが使われている状況です。
では、このAI時代に望まれているツールとは、どのようなものなのでしょうか。
「コールセンター白書2023」には、コールセンターが描くAIツールのロードマップについて次のように述べられています。
(AI処理の)あらゆる用途でポイントソリューション的な活用が続いた後、将来的には「全体の統合処理」にまで至るロードマップが描かれている
つまり、顧客対応前、顧客対応中、顧客対応後といった各ポイントにソリューションを導入していくのではなく、すべてのポイントを統合して管理できるソリューションが望まれているということです。
簡単に言うと、「コールセンター業務を丸ごと処理してくれるAIツール」が必要とされているのです。
今回は、「GIDR.ai(ガイダーエーアイ)」というたった一つのプラットフォームで、コールセンター業務をどのように丸ごと効率化できるのか紹介していきます。
▼以下のお悩みに役立つ記事です▼
各チャネルがサイロ化しているので改善したい
一つのプラットフォームだけでAIを運用したい
質問が高度化しているお客さまに良質な対応をしていきたい
GIDR.ai(ガイダーエーアイ)とは
GIDR.ai(ガイダーエーアイ)は、コールセンターにおける「全体の統合処理」が可能なAIプラットフォームです。つまり、「対応前・対応中・後処理」までのすべての業務を統合して丸ごと実行できるAIプラットフォームなのです。
GIDR.aiには、以下のような特徴があります。
- 対応前から後処理まで丸ごと対応可能
- いろいろなコンテンツの構造化をしてくれる
- 拡張性が高い
- セキュリティ重視
それぞれの特徴について解説していきます。
顧客対応前から後処理まで丸ごと対応可能
コールセンターで生成AIが活用されているのは主に以下の用途です。
- FAQの自動生成
- VOC(オペレータと顧客の会話を要約)
- チャットボット
従来は、用途ごとに異なったAIツールを導入していかなければなりませんでした。しかしGIDR.aiであれば、一つのプラットフォームだけですべてを網羅できます。
「弊社エンジニアからのひとこと」:
GIDR.aiは柔軟なプラットフォームです。プロンプトを工夫すると、さまざまな用途で働いてくれます。またプラットフォームに追加できる機能も日々増えているところです。
たとえば、自社サイトをAIに学習させてチャットボットを作成したり、自社サイトと簡単に連携ができるAPIが用意されたりしています。
いろいろなコンテンツの構造化をしてくれる
コールセンターで生成AIを活用するには、PDFマニュアルや、紙マニュアルといったコンテンツを下準備する必要があります。
これは、FAQやチャットボットに反映させたい情報をAIに学習させるため、必須の工程です。「コンテンツの構造化」と呼ばれる作業です。
「コンテンツの構造化」は、複雑で手間がかかる作業になります。PDF、画像、動画、音声などの情報をAIツールが学習しやすいように整える作業には膨大な時間と労力がかかるのです。
多くのコールセンターは、ここでつまずいてしまい、生成AIの運用が進まなくなってしまいます。
しかし、GIDR.aiは、PDF、HTML、動画(MP4)といったいろいろなフォーマットのコンテンツを丸投げするだけで構造化してくれます。
「弊社エンジニアからのひとこと」:
GIDR.ai単体で複数の形式のデータを扱うことができます。また(書籍や倉庫の書類などの)紙データが大量にあって、それをデジタル化したいという現場もあるかもしれません。
もともと、GIDR.aiの開発元には、紙データをデジタル化する業務を長年行ってきた実績があります。「国連」や「Pearson社」にある大量の紙データをデジタル化してきました。
もし出版社・教育機関・エンタープライズ企業など「大量の書籍、雑誌、説明書、社内資料、パンフレットといった紙データをデジタル化したい」というご要望がありましたらお気軽にお問い合わせください。
拡張性が高い
GIDR.aiは、APIでいろいろなLLM・CRM・チャットボットと連携が可能です。とくに用途に合わせてLLMを自在に変えられる点が評価されています。
たとえば、Azure Open AI、GCP Vertex AI、AWS Bedrockなど、それぞれの得意分野を持ったLLMを柔軟に選んで運用していけます。
セキュリティ重視
「AIツールはセキュリティが心配」「いつの間にか情報漏洩が起きていたら困る」と感じるかもしれません。
GIDR.aiはセキュリティ重視のAIプラットフォームです。システムが使用する大規模言語モデル(LLM)のドメインを制御することができるため、情報漏洩が起きにくい仕組みになっています。
「弊社エンジニアからのひとこと」:
GIDR.aiは、企業内でどうやったらAIを安全に使えるか、ということを念頭に日々開発が続けられています。さまざまなソリューションを駆使した個人情報を効果的に除去する仕組みをご提案していきます。
GIDR.aiがコールセンターのAI活用を推し進めてくれる3つの業務
これから具体的にGIDR.aiがコールセンターでどんな業務をしてくれるのか見ていきましょう。GIDR.aiがコールセンターでしてくれる3つの業務を紹介します。
1. AIでFAQ作成
GIDR.aiは、顧客がオペレータへ問い合わせる前に活用できるFAQを生成してくれます。PDFマニュアルなどのコンテンツを元にして、自動でFAQを生成できます。
AIは読み込んだ情報だけに基づいて回答するので、見当違いの回答をすることがありません。生成AI特有の「知ったかぶり(ハルシネーション)」をすることがないので安心です。
「FAQの整備」にAIが必要な理由:
製品の機能やサービスが複雑化するにつれ、FAQの項目は増えていくばかりです。FAQの項目が増えれば増えるほど、検索性は低くなり、お客さまが自己解決できる確率は減っていきます。
しかも、製品やサービスごとに担当部署が異なるため各FAQがうまく連携できないという問題もあります。
FAQの生成をAIに任せることで、増えすぎた項目の整理、製品やサービスを横断したFAQの作成が可能となります。
AIでFAQを作ってみよう
GIDR.aiを使ってどのようにPDFからFAQを生成するのかご覧ください。
1. 活用したいPDFを表示させ、FAQとして使いたいページを選択。
2. ページの中の使用したい文章を選択し、「生成」ボタンをクリック。
3. FAQが作成されました。
4. 答えをクリックすると、要約された答えと参照情報が表示されます。
GIDR.aiの一押しポイント:
PDFに含まれる表や画像も読み取り、FAQ生成してくれます。Geminiと紐付けることで、PDF内の画像も解析可能になります。
GIDR.aiの一押しポイント:
GIDR.aiは多言語対応が得意です。たとえば、中国語のPDFをAIに読み込ませて、日本語で回答を生成させることができます。さまざまな言語を組み合わせられます。
■GIDR AIが解決してくれる現場の悩み
- FAQの情報を最新にする人員が足りない
- 質の高いFAQで顧客の自己解決率を向上させたい
- FAQの答えに関連する最新資料をきちんと提示したい
「弊社エンジニアからのひとこと」:
この機能にはQ&Aクリエーターという訳を当てました。FAQの素材となる質問と回答を作成できます。
また別の機能になりますが、お客さま対応に出てきた質問について、オペレーターがGIDR AIに質問を続けていると、自然に「繰り返し出てくる質問」が上の目立つところに表れてくるようになります!
AIでナレッジマネジメント
GIDR.aiは、顧客対応中のオペレータをサポートしてくれます。お客さまの難しい質問に正確に答えられるように手伝ってくれるのです。
たとえば、関連するQ&Aや、参考にできる資料をオペレータに教えてくれます。
生成AIで「ナレッジマネジメント」が必要な理由:
昨今はお客さまの問い合わせ内容が高度化しています。なぜでしょうか。
各企業が提供する自己解決チャネルが充実しているため、または顧客がすでに生成AIを使ったリサーチ、YoutubeやXといったSNSを使ったリサーチをしているために単純な問い合わせが減ってきているのです。
お客さまの高度な質問に返答するため、AIのナレッジマネジメントでオペレータをサポートするニーズが高まっています。
AIによるナレッジマネジメントを見てみよう
1. オペレーターが質問を入力します。
2. 質問に端的に答えてくれます。同時に、関連するQ&Aと、参考資料のPDFを提示してくれます。
3. PDFをクリックすると、中身を確認できます。質問の根拠をきちんと提示してくれるので安心です。
4. 関連情報として、動画も提示してくれます。
5. 動画をクリックすると、該当する箇所(時間)から再生してくれます。下部には動画の字幕も表示されます。
■GIDR.aiが解決してくれる現場の悩み
- 顧客の質問が難しい
- 新人オペレータの案内ミスが多い
- ナレッジコンテンツが膨大でオペレータが検索に手間取っている
- ナレッジコンテンツが多言語なので、日本語への翻訳に時間がかかる
- 即時に最新資料を使ってオペレータに案内させたい
「弊社エンジニアからのひとこと」:
私たちがコンサルティングするコールセンターの中には、新人オペレータが一人前になるまでに「大量のPDFを読み込まなければいけない」「製品やサービスについて熟知しないといけない」場合があるようです。
AIが先にPDFを読んで勉強しておいてくれるなんて夢のようですね。そして、それが単なる夢で終わってしまわないよう、良い回答率でGIDR.aiが働くよう弊社では強力バックアップ体制を整えております!
AIが後処理をサポート
コールセンターで加速度的に進んでいる生成AIの活用分野は「VOC要約」です。「VOC要約」を生成AIにさせると、後処理を意味するACW(アフター・コール・ワーク)を大きく削減できます。
たとえば、ACWに必要な時間の平均は6.3分です。ときには、10分以上かかることがあります。しかし、生成AIで自動化されればACWを限りなくゼロにできます。
オペレータ1人当たりの応対件数は飛躍的に上がるでしょう。人材不足に悩むコールセンターにとっては魅力的な生成AIの活用分野です。
また「後処理をAIに分析させる」ことで、人材育成を効率的に行えます。
たとえば、新人オペレータの応対時の音声をAIに分析させ、評価基準をプロンプトとして与えます。すると、応対品質や対応時間を分析し、オペレータのスキルや生産性を評価してくれます。
さらに、GIDR.aiは応対時の音声を通話後に分析し、「通話の要約」「コールリーズンのピックアップ」「感情分析」を実施していきます。
AIによる「コールリーズンの分析」が注目されている理由:
コールリーズンの分析は、カスタマーエクスペリエンスの向上と、コスト削減を同時に達成するカギになるので注目されています。
たとえば、お問い合わせの80%が「FAQがわかりにくかった」というコールリーズンだったとしましょう。するとカスタマーエクスペリエンスを向上させるために必要なのは、オペレータの増員でも、新規チャネルの追加でもありません。必要なのはFAQの改善です。
FAQの改善をすることで、カスタマーエクスペリエンスが向上します。同時に、入電数は減り、オペレータの配置を効率化でき、コスト削減へとつながっていくのです。
AIに後処理をさせてみよう
1. 通話内容の要約をしてくれます。
2. 通話内容の文字起こしもしてくれます。
3. 任意の箇所の音声を聞くことができます。
4. 応対中に出てきた「トピック」や「質問」を箇条書きにし、「感情分析」もしてくれます。
■GIDR.aiが解決してくれる現場の悩み
- 後処理の精度を上げたい
- コールリーズンの分析をきちんと実施したい
- 後処理の分析を自動化したい
- 後処理分析を通してカスハラ対策を進めたい
- 新人トレーニングを効率化したい
「弊社エンジニアからのひとこと」:
通話の評価方法にはさまざまな尺度がありますので、このソリューションだけで完結はしないかもしれません。しかし「良かった応対記録」を見つけ出す強力なツールになります。
音声の文字起こしについては、弊社のエンジニアたちが最新の技術を研究しております。お気軽にお問い合わせください。
最後に
GIDR.aiであれば、コールセンターにおける業務を丸ごと効率化させられます。さらに、GIDR.aiは時間と手間がかかるコンテンツの構造化を丸投げできるAIプラットフォームです。
「AIツールに社内情報を学習させるのに手間取っている」「生成AIの精度が期待より悪い」と感じているコールセンターにおすすめのAIプラットフォームとなっています。
GIDR.aiを使ってコールセンターのAI活用をさらに進めていきたい場合、弊社のコンサルタントへお気軽にご相談ください。